
本学会は,財務会計における理論的探求とそれに対する討論を通じて,財務会計の理論的研究の質を高めるために創設された研究学会である。この趣旨に沿って,本学会の研究大会では,研究報告は形式的・儀礼的報告ではなく,「完全原稿の事前送付・事前講読」に基づく実質的・論争的報告が行われている。さらに,学説・理論研究を地道に追及する本格的な研究学会として,高品質の研究内容・講評が披瀝されている。
そして,研究大会における研究報告等の成果として,機関誌『財務会計研究』がある。ここでは,投稿論文に対して各論文に適したレフリーが厳選され,通常2回の厳密で厳しい査読を経て本誌への掲載が決定される。不幸なことに,過去において掲載されなかった投稿論文も数知れずある。このようにして作成される機関誌は,財務会計の理論研究において,きわめて品質の高い学会誌であるということができる。
本学会の最たる特徴は,上述した「完全原稿の事前送付・事前講読」,研究大会における10分の報告者による報告要旨の発表,45分の参加者による質問および討論,そして5分の司会者(評者)による論評である。これらの過程を踏むことにより,本学会において,質の高い議論と成果が生み出されている。
このシステムおよび思想は,初代会長の新田忠誓先生により,わが国の財務会計理論の発展を目指す高邁な理想のもとに確立された。そして,第2代会長の菊谷正人先生,第3代会長の 郡司健先生, 第4代会長の上野清貴先生および第5代会長の藤井秀樹先生がこの理念を受け継ぎ,発展させて今日に至っている。私もこの思想と理念を受け継ぎ,財務会計理論の発展に寄与すべく,努力したいと思う所存である。
会員諸賢におかれましては,財務会計理論の深化と発展のために相携えて研究活動に邁進していきたいと願う次第である。と同時に,財務会計理論の進展のためにはできるだけ多くの研究者が切磋琢磨する必要があり,そのために,本学会の入会資格を満たした多くの研究者に参加していただく必要がある。したがって,いわゆる学会の裾野を広げるべく,会員の拡大のために現会員諸氏にご協力をお願いしたいところである。
財務会計研究学会 第6代会長
石原裕也